手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

染色用キノコ ~2種のSarcodon

フィンランド語で suomuorakas(スオムオラカス)と呼ばれているキノコがあります。1983年出版のキノコ染めの本によれば、学名は Sarcodon imbricatus。学名からすると、コウタケの仲間でしょうか。

ところが、この、以前は単一の種として扱われてきた suomuorakas は、実は単一種ではない、ということが、1999年になって明らかになったとか。一方はトウヒと共生し、そしてもう一方は松と共生。これらは同種ではなく、別の種類のキノコと判明したそうです。

実際、近年の本を見ると、この2種はきちんと区別されており、学名も、前者が、Sarcodon imbricatus 、後者は、Sarcodon squamosus となっています。

Tetri, A.著『Sienivärjäys(キノコ染め)』2013年出版(写真上部)と
Sundström, E. & C. 著『Sienivärjäys』1983年出版(写真下部)

なんでも、suomuorakas は1種類ではなくて、2つの別な種類があるんじゃないか、という疑いは、染色から始まったという話です。

このキノコからは、条件さえ整えば、青みがかった色が得られるということは分かっていました。

藍を別にすると、草木染にしてもキノコ染めにしても、青系というのはなかなか得られない色。ですから、青みがかった色を期待して suomuorakas で染色する人も多かったのでしょう。

ところが、同じような条件で染めても、青みがかった色が得られることもあれば得られないこともある…

多分、そんなところが発端だったんじゃないかと思います。

いずれにしても現在では、トウヒ林に生える kuusensuomuorakas(クウセンスオムオラカス:「トウヒの」スオムオラカス)では、青みがかった色が出ないけれど、松林に生える männynsuomuorakas(マンニュンスオムオラカス:「松の」スオムオラカス)であれば、条件さえ整えれば、青みがかった色を出すことができるというのが分かっているようです。

Suomuorakas ってこんなキノコです。

Suomuorakas

キノコの名前にも使われている suomu っていうのは「ウロコ」のことです。カサの表面がウロコ状になっているのでついた名前でしょう。特徴がはっきりしているので、識別しやすいキノコです。

ただ、kuusen-(トウヒの~)なのか männyn-(松の~)なのかの識別については、自信がありません。これは、松が優勢な場所に生えていたので、männyn- だろうと思いますが、キノコ自体を見て区別することは、くうっけりには無理そうです。

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@tapionokuni